恋ってヤツ

5/29
前へ
/590ページ
次へ
誰からの着信かを確認する暇もなかった為、期待も込めて言葉少なに返事を待った。 『…もしもし?』 聞こえて来たのは艶っぽい覚えのある声で、カズヒロの全身がピクリと反応する。 そして慢性的な振動でいつしか緩んでいた気持ちと共に、一気に目を覚ました。 『ヒロミさん…?』 『…ごめんね。突然…今、大丈夫?』 カズヒロは思わず首を振ってそれに応えるが、これが電話なんだと思い出し、あらためて否定の返事を口にする。
/590ページ

最初のコメントを投稿しよう!

885人が本棚に入れています
本棚に追加