恋ってヤツ

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冗談なのかどうか判断つきかねる物言いだったが、カズヒロはもはやいちいち気にしない。 『…本当に、色々ありがとうね…』 そしてこの瞬間、カズヒロは終わったと感じた。 ヒロミとの短かくて濃い時間は、たった今過去のものになった。 カズヒロは通話の切れた携帯を見つめると親指でそっとHOLDを押し、小さくため息をついて目を閉じた。 新幹線の静か過ぎる振動が鼓動と重なる。 カズヒロは長い夢から醒めたようにゆっくりと瞼を開けた。
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