恋ってヤツ

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カズヒロが仙台駅に降り立った時、既に10時を過ぎていた。 駅周辺は思ったよりも賑わいがあり、しかも年越しのイベントが仕掛けられているのか人は多い。 手にしたメモ紙をカズヒロはじっと見詰めた。 チエの書いてくれたユカの実家は、どうやらかなり外れにあるらしい。 迷いながらもたどり着いたタクシー乗り場で、ズラッと並んで客待ちをしているタクシーにようやく乗り込むと、行き先を告げた。 中年のドライバーがバックミラー越しにカズヒロを見ていて、何度も目が合った。
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