恋ってヤツ

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『…お客さん、帰省かい?』 『…あぁ、はぁ…』 興味津々に聞いてくるのが少し欝陶しくもあり、カズヒロは曖昧な返事をして外を見遣る。 カズヒロの反応の薄さに、ドライバーは大袈裟に首をすくめてハンドルを持ち直した。 賑やかだった町並みも徐々に落ち着いていき、街灯があるだけの住宅街に変わっていく。 目的地に選んだ建物の近くに降り立つと、カズヒロは携帯を片手にユカの家を探し出した。 いくら携帯でなんでもわかる世の中とは言え、そうそう見つかるものでもない。
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