恋ってヤツ

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シンとした夜の公園で、一人佇む現実になんだか無性に笑えて来る。 腹の底から沸き上がる自嘲ぎみな笑いが渇いた声となって小さく響いた。 『…何やってんだろなぁ、はるばるやって来たって言うのに…オレ…』 カズヒロは色々なことを考えていた。 小学生の頃、好きな女の子を泣かせてしまったこと。 初恋だった。 そのあとその子は転校してしまったこと。 結局嫌な奴と思われたままサヨナラしてしまう羽目になったこと。
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