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『ねぇ彼方…もしかして昨日彼方が見たって言う私が学校にきたのかなぁ?』
呟やいく様に聞いた。
『ま、まさかぁ!何かの間違いだよ!もうこの話はいいじゃん!早く席つこうぜ!予鈴鳴るし』
キーンコーンカーンコーン
彼方が喋り終わると同時に予鈴が鳴った。
話は一時中断。昼休みまで持ち越された。
――――昼休み――――
気になって授業どころではなかった。
『ねぇ、今朝の事だけど…ホント、江美と瓜二つだったよ!皆の事もちゃんと知ってたし。本人じゃないなんて有り得ない位!』
美沙が声をかけてきた。『でも…私じゃない』
私の事も、私の周りの事もよく知っているもう一人の私。
もう、気味が悪いじゃ済まされない。
怖い…
泣きそうになった。
それを察した美沙は
『ほら、誰かのイタズラかも!特殊メイクで江美そっくりにして、周りの事はあらかじめ調べておいたのかもしれないじゃない!』
励まそうと言葉をかけてくれる。
けれど今の私にはそんな風には考えられない程の恐怖心が迫っていた。
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