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『せっかく来たんだし、クレープ食べようぜ!おっちゃん!俺いつもの♪』 話題を変えようと彼方が切り出した。 『江美と美沙は?』 彼方の言葉に私と美沙は顔を見合わせ、クスッと笑った。 いつもの彼方に戻ったみたいで少し安心した。 『皆一緒でいいんじゃない?』 美沙の提案に私は頷いた。 『じゃあおっちゃん3人前よろしく♪』 『はいよ♪あっそういや~、江美ちゃん昼にもクレープ食べたのに大丈夫かぃ?太るよ(笑)』 笑いながら喋るおじさん…私には笑えなかった。 やっぱりここに来たんだ… 『だ、大丈夫だって!こう見えてもコイツ結構運動してるし!』 思わず考えこんでしまった私の代わりに彼方が言ってくれた。 『…で、おっちゃん。そん時江美何か言ってた?最近物忘れが激しくてさぁ!覚えていないみたいなんだよ』 『特に変わった会話はしてないが…あっ!何か変な事言ってたなぁ。“これからは私が常連になるからよろしく”って。今でも充分常連なのに、おかしな事言ってるなぁって思ったよ』 “私が常連になる?”…どうゆう事?私が消えて“私”が私になるの?? 嫌っ… 私は私!消えたくなんかない … 『江美大丈夫!?』 美沙の声で我に返る。 顔が青白く、カタカタと小刻みに揺れる肩。今にも倒れるんじゃないかと心配してくれたみたい。 『おっちゃんごめん!やっぱ今日は帰るわ。江美体調悪いみたいだし』 『いいよいいよ。早く帰って安静にしとき』 おじさんと彼方の会話を横で聞きながら、おじさんに軽く会釈して私達は公園を通り抜けた。
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