三国志入門

初級講座・第一回演義について

諸葛亮「では今回は演義と正史の相違点についてお話しましょう」

関羽「先程の五虎将軍とお主に対する脚色という物だな？」

諸葛亮「いかにも、時に関羽殿、華雄という人物をご存知ですかな？」

関羽「華雄……いや記憶に無いが」

諸葛亮「董卓軍の呂布が加入する以前の最強武将で孫堅配下の祖茂等を討ち取るも関羽殿の一騎討ちで敗北、首を討たれる。といのが演義における華雄の設定です」

関羽「董卓軍？……いやまて諸葛亮殿、そもそも私や劉備様は董卓と戦った事は……」

諸葛亮「その通り、華雄を討ったのは孫堅の軍ですし、まして劉備様達は反董卓連合軍には不参加ですよね？」

関羽「その通りだ諸葛亮殿、一体何故そのような話が？」

諸葛亮「先程にも申しましたが、演義の主役は劉備様なのです。従って黄巾の乱から呂布との戦いまで劉備様が歴史の表舞台に出てこない訳にはいかない」

関羽「話が続かない訳か……」

諸葛亮「ええ、しかもその後は呂布が関羽殿と張飛殿と劉備様が三人と一人で渡り合う、三英戦呂布という名シーンもあります」

関羽「敵方にも見せ場を与える訳だ」

諸葛亮「しかし関羽殿が華雄を討ち取る関係上孫堅は本来なら討ち取る華雄に破れていますし、祖茂は戦死等しないにも関わらず華雄に斬られています」

関羽「我等の見せ場の陰で涙する者達も居るわけか」

諸葛亮「その通り、その辺りの事は別の講師の方にまた講義して頂きましょう」

関羽「しかし華雄を討ち取る話といい、三英戦呂布といい、私は見せ場が多いな」

諸葛亮「三国志演義が成立した明の頃には関羽殿は神として信仰の対象になっていましから、演義では全ての登場人物が姓＋名で示される中で関羽殿は関公と公をつけて特別に書かれていますし」

関羽「なるほど」

諸葛亮「他にも関羽千里行や関平を養子にする話、周倉や廖化との出会い、黄忠将軍との一騎討ち等々、見せ場は盛りだくさんですよ」

関羽「千里行？文醜だと？関平は私の実子だぞ？廖化はともかく周倉とは何者だ？黄忠なんかと一騎討ちした覚えは……」

諸葛亮「気になりますか？でしたらこの事は宿題にします次のページまでに今いったエピソードについて調べてきて下さいね関羽殿。演義がいかに関羽殿贔屓かよくわかりますよ」

関羽「……わかった」