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「ウウ」
「何でちゃんと周りに自分の身体じゃないって言わないのよ、こっちはあんたの素行のせいで、誰にも話しが通じないんだからね。
次に私の両親が面会に来たらちゃんと話してよ。
私も立ち合うからさ」
吃り、目を伏せる。
短かった前髪が今は欝陶しく目を隠している。
「前髪切りなよ、陰気でキモチが悪いって」
「ボク、ボクの勝手だよ」
「はあ?」
「もう元に戻れない、ないよ、だって、ボクは、ボクも、あなたも、死んだじゃないか」
「だからなに、それ何の話し?
生きてるじゃん、いま、生きてるでしょ」
「生き返った、んだよ」
「頭大丈夫?」
「ボクがお願いしたんだ、あなたに悪いと思ったから、でも、ボクは、もうボクになるのが嫌だったから、こっちの身体にしてって、頼んだんだ」
「はあ?
わけわかんないんですけれどぉー」
「背中の傷、斬られたんだ、死神の鎌で、魂が抜け出す瞬間に、目があったんだ、ホームの下からこっちを見ていた黄色い目と、助けてやろうかって、言われたから、だから、ボクは・・・・・・」
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