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「いい加減な事言ってんじゃないよ、私はたいした助けにならなかったかも知れないけれど、でも、あんたにとって、もっと誠意をもって話すべき相手でしょうが!!
それを、くだらない空言を並べて。
あの長男の策略か何かでだまくらかそうとしてるわけ?
金銭の問題?
うちが、あんたの家になんらかの金銭を要求してるわけ?
それを本人から拒否するよう仕向けるために、あんたに私を演じさせてるんじゃないの?」
「違うよ!!」
怒鳴ったのだろうが、あまりに迫力がない。
むしろ欝陶しくて睨み返すと、再び目を伏せた。
「違う、本当の事、ボク話した、けれど、信じてくれない、多分、大人は自分が信じられる事しか信じないよ、あなた、のように。
だから、ボク達がいくら話しても、きっと、誰も信じないんだ、よ」
ドキリとした。
「じゃあ、どうして意識が戻った時、自分の身体じゃないって騒いだの、知ってたんでしょう?
自分がお願いしたんだったら」
「最初は、わからなかった、んだ、その約束をした事、暫<しばら>くして思い出した」
へーえ、弁護士の弟なだけあるじゃん。
「じゃあ、どうしてそんなに自分の身体が嫌なわけ?」
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