ラブフィニティ

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「窓子が、驚かそうと床で寝ていたこの子をベッドに運んで、上を脱がせたんだよ。 朝方まで添い寝して一睡もせず、この子が目を覚まして驚く瞬間を待ってたようだけれど、結果も見ずに睡魔に負けたようだな。 俺が、この悪戯の後始末をどうしようか考えていたところに、タイミング悪く小林が来たんだ」 「そうなのか、本当か?」 「俺は、お前に嘘をついてまで気を使うことなんてしないだろ」 「そっか、そうだよなあ、いくらなんでもまだ子供だしな、髪がそんな色に変わってるからさ、なんかあり得るかもとか思ったんだよなあ、いや、でも、ないない、俺はマドちゃんを信じてる」 「そら、もう納得したんだったら帰れ、うるさいから」 「悪いな陽一郎、ところで、これすごいな、どうしたんだろう?」「さあな」 「戦場から生還したみたいな傷じゃないか、俺は戦場には行ったことないけど」と亮は持っていた一眼レフを構えた。 「小林、勝手に撮るな」 「悪戯の結果を見逃したマドちゃんに、後でプレゼントしようと思って、そうだ、俺よりお前の方が人物は得意だろう、お前撮れよ」「本人の承諾なしにそんなことはできない、小林、いい加減にしないとフィルム抜くぞ」   「相変わらず堅いな、陽一郎は」 「なあ、陽一郎って誰?」 キョウはすでに目が覚めてしばらく経っていた様子で身を起こすと、はっきりした目で二人を見た。「あっ、ええとお早う、俺のこと覚えてる? この間会ったよね」 亮はあたふたとカメラをしまいながら、追従〈ついしょう〉笑いを浮かべた。 「貴方が陽一郎?」 キョウは真っ直ぐと窓子を見た。
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