第3章 新たなる殺人

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~南校舎1、2階~ 南校舎の1階には正面玄関、事務室、職員室、校長室、保健室がある。司達はまずその1階を調べることにした。   「正面玄関か……ここは特に何もなさそうだな」   結局正面玄関、事務室には何もなかった。   「職員室ね…ここはなにかありそう」   恵子が言うと、職員室のドアを開けた。職員室は誰もいないせいか、ただでさえ広いというのに余計広く感じる。   「奥から調べてくか」   亮佑はそう言うと奥へ向かって歩きだした。それに続いて司と恵子が歩く。奥の机は教頭、3年生の学年主任の机が並べられていた。      教頭の机を調べていた亮佑が何かを見つけたらしく、2人を呼んだ。   「おい、これ見てくれ。気持ち悪………」   そう言うと紙を差し出した。紙にはこう書かれていた。     『高塚の死体は外へ捨てた。五体をバラバラにしてやったよ。上原のことは残念だったな、あいつが1人で行動するからだ。  次は誰にしようかな。ハハハ』  読み終えた司が重い口を開いた。   「なんだよ、これ……こいつ殺しを楽しんでやがる」   「ありえない。」   恵子が呟く。すると、亮佑が何かに気付いたようで「アッ」とこの雰囲気では間の抜けた声を出した。   「この紙の裏に、何か書いてあるぞ」   「えっ」と司は持っていた紙の裏を見た。すると、こんなことが書いてあった。   『美しき絵画に挟まれ、少年の時間は止まる』   「美しき絵画に挟まれ、少年の時間は止まる……何のことだ」   司は首を捻る。それと同時に恵子が口を開いた。   「まって……美しき絵画って、美術室にある風景画のことじゃない。ほら、あの夕焼けを描いたもの」   「あれか、確かにあの絵の隣には海を描いた綺麗な絵も飾られてたな」   司は美術の授業で何度かそれを見たことを思い出した。   「美術室は北校舎の2階だったよな……」   と、亮佑。   「ということは…………徹達が危険だ。少年と書かれているから西岡ではない、つまり徹か清水のどちらかが…死ぬ」   「急ごう」   司達は美術室へ急いだ。
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