第3章 新たなる殺人

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~南校舎3、4階~ 南校舎3階には2年生の教室が6クラスある。   「1クラスずつ細かく調べましょ」   香奈が信也と浩二を見て言う。   「あぁ、何があるかわからないしな」   信也が答える。         4クラスまで調べ、トイレの前に来たとき浩二が2人に声をかけた。   「あのさ、ちょっとトイレ寄っていい」   「えぇ、早くしてね」   渋々香奈が言う。   「悪い」   そう言うと浩二はトイレへ消えていった。         5分待ったが、浩二はなかなか出てこない。   「浩二の奴、大きい方か」   信也はこんな時にでも緊張感がない。テニスの試合でもそうだ。   「もう…津久見くん、ちょっと見てきて」   香奈が信也に言う。   「へいへい」   信也は香奈に言われるままトイレに入っていった。するとすぐに信也の声が響いた。   「うわぁぁぁぁ」   その声を聞いて香奈が男子トイレということを忘れ入って信也を見ると、信也は尻餅をついて涙目で香奈を見て[何か]を指差した。   「あ……あれ」   「あれ?」   香奈は信也の指差したものを見て声を失った。そこには、血溜りの中で壁にもたれかかった牧田浩二の死体があった。
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