第4章 殺人犯の正体

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~北校舎3、4階~ 学達は4階の社会科準備室にいた。生徒用の机が横6縦6の計36個が綺麗に並べられていた。   「社会科準備室って、来たことないよなぁ…」   「おぉ、初めて入った。」   学と隆正の会話が終わった直前、真理子が何かを見て小さな声で呟いた。   「な…何よ、これ」   真理子は黒板を指差し、3人にそれを見るよううながした。黒板には、赤いチョークでこう書かれていた。  『少女は狂気によって赤い花の散る中で眠りにつく』  「赤い花……」   学は辺りを見渡したが社会科準備室には赤い花などどこにもない。ましてやほとんど人が近寄らないこの教室に花など飾るわけがないのだ。   「誰かのイタズラだろ」   隆正はそれを気にしてはいなかったが、その時未来は何かが引っ掛かっていた。しかしあえて口にはしなかった。         ~隆正Side~ 調べることに飽きた隆正は3人にバレないよう、社会科準備室を出た。準備室を出ると、やけに寒かった。その原因は準備室の前の窓が開いていたからだった。   「寒……誰だ、窓開けっ放しにしたの」   チッと舌打ちし、渋々窓を閉めようと、窓に近づいた時、何者かに背中を押された。   「おいっ、何すんだ……うわっ!!」   その瞬間、隆正は窓の外へ放り出された。         ~学、未来Side~   その声は3人にも聞こえた。隆正の声だ。学と未来が準備室から出ると、冷たい空気が体を包んだ。窓が開いている。恐る恐る窓の下を見ると、誰かが倒れていた。目を凝らして見ると、隆正だった。隆正は腕と足があり得ない方向へ折れ曲がり、雨にうたれ死んでいた。         ~真理子Side~ 隆正の声が聞こえたので、真理子も学と未来を追って準備室を出ようとした。しかし、何かに腕を引っ張られ口をふさがれた。   「んっ………」   必死でもがくが、段々意識が薄れていった。そして、真理子はその中で見覚えのある顔を目にしたがそこで真理子の意識は途絶えた。
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