第1章 雨の学校

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 朝のニュース番組の女性アナウンサーが占いの紹介をしている   「今日の牡羊座は、12位です。忘れ物に注意して……」   そこで、テレビの電源が切れた。電源を切ったのは、受験を控えた高校3年生の、小鳥遊 司(たかなし つかさ)   「もう、なんで電源切るのよぉ~」   今怒ったのは、彼の妹、小鳥遊 花梨(たかなし かりん)である。   「いいだろ占い終わったんだから。どうせ双子座は1位だったしなぁ~」   「そうじゃなくて、この後私の好きな歌手の特集やるの」   花梨が怒鳴る。   「それは悪かったな」   今度は司が棒読みで返し、電源をつけなおした。花梨が言ったとおり歌手の特集をやっていたが、司にはその歌手の良さがまったくわからなかった。   朝ごはんを食べ終え、司は自分の部屋から学校指定のバックを持ってきてさっきのニュースの天気予報を見た。   「今日は朝から雨のパラつく所があるでしょう」   司が窓の外をチラッと見ると、予報通り雨がパラパラ降っていた。   「傘……持ってっとくか」
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