プロローグ

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それと、この7階自体は他の階と少し違っていた。 まず、床がピカピカになっていた。 天井も今までより、ずっと高く広々としていた。 病室の中もすごく綺麗で、大きな窓からは、明るく日光を採り入れる仕組みになっているようだった。   …だけど、窓は少ししか開かなかった。 試しに計ってみると、ちょうど頭がギリギリ通らない帽だった。 他にも、認識用の腕輪の色が変わった。 入院した日から、ずっと手首に巻かれていたビニール製の腕輪。俺の名前や血液型が記載されていた。 その色が、青から白に変わった。   …高い天井、白いビニールの腕輪、15㎝しか開かない窓。 そんな7階に移ったのは、まだ、新春のつまらない番組が流れている頃だった。 あの子と初めて出会ったのも、そんな年を明けてまもない頃だった…
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