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私立西宮高校は只今、文化祭の真っ最中。
西宮高校はお金持ちの美男美女が多く通うことで有名な学校であり、一般客の入り方も他の学校と比べても半端ない。
『嫌ったら嫌ぁぁっ!!』
そんな文化祭真っ只中の西宮高校のとある控え室に少女の悲鳴が響き渡る。
『あらあら、美咲そんなに叫んだりして…綺麗な声と可愛い顔が台無しよ?』
艶やかな長い黒髪をなびかせ優雅に微笑んでいるのは、西宮高校の大和撫子こと…姫都 千影(ヒメミヤ チカゲ)。
そして只今その自分の親友である千影の餌食になっているのが、都築 美咲(ツヅキ ミサキ)。
『誰が叫ばせてんのよ~本当に嫌だってばぁ』
そう言う美咲はすでに半泣きである。
『良いじゃないの、減るものでもないのだし』
『減るっ!!なんかわかんないけどかなり減るって…こんな大勢いるのに、やっぱりミスコンなんて嫌だ~っ!』
どうやら文化祭のミスコンに出場させられそうになっている模様。
美咲はごく平凡な奨学金生であるが、普段レイヤーカットの長い前髪で顔を隠しいつも俯いている為彼女の素顔を知るものはまずいない。
『往生際が悪いわねぇ…美咲の可愛い素顔を御披露目する良い機会じゃないの、というか…もぅエントリーしてしまって後戻り出来ないから☆
覚悟お決めなさいな』
ニッコリと悪魔の微笑みを美咲に向ける千影。
『そんなぁ…』
もはや抵抗することすら許されない状況に美咲はガックリと肩を落とした。
こうして美咲は泣きべそをかきながら、文化祭のミスコンに参加するハメになったのであった。
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