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球状ドーム型の建物の天井には直径が20メートル近い穴が空いていた。
そこから覗く月は赤く、その光がドーム内をほの赤く照らしている。
中央には玉座が在り、その周りには瓦礫が山と積まれていた。
玉座には円形の窪みが十有り、その内九つに色とりどりの丸玉がはめ込まれている。
「…よし、これで全部だ」
十個目となる赤い丸玉を玉座にはめ込むと、淡い光が周囲を包み込み始めた。
玉座にはめ込まれた十の丸玉が宙に円を描き、ゆっくりと周り始める。
それが周囲に拡散し、次の瞬間強い光を放って消えた。
とっさに腕で顔を庇った少年は、周囲が落ち着いたのを確認し目を開けた。
「…成功したみたいだ。宜しく、──…」
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