佐々木のフォーク

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友人達とバッティングセンターに行った。   すると、佐々木のフォークに挑戦と書かれた打席があった。 もちろん俺はその打席に入った。 ワクワクしながら100円玉を投入した。   そして、想像を遥かに越えた球が来た。   140キロの速球がホームベースの1メートル前でワンバウンドした。 完全にフォークではない。 超低いだけだった。 天才イチロー以外は打てないだろう。   凡人な俺は球の高さを上げるボタンを某名人ばりに連写したが、球は一向に上がらずに終了した。   これはさすがにクレームをつけずにはいられない。 俺は、バッティングセンターの店主に文句を言った。 店主はさらりとこう言った。   『あれ、凄いでしょ!』   あんたが一番凄いです。
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