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「見え見えだよ」
確信犯だ。こいつ、分かっててやってる。せこい野郎だ。
「一目惚れだろ」
しつこい奴だな。どれだけ僕をいじりたいんだか。
「まあたしかに、岡中の中では、あいつは結構可愛いよな。白川とか西宮とかには勝てないけど」
白川、西宮とは、二の三を代表する美少女。桐島っていう白川にそっくりな子もいるけど、少し引っ込み思案らしい。
「二の六だと、柳井は三番目だぞ」
二の六の一番、二番目は知っていた。学級委員の江ノ島由良。そして体育委員の弓原楓。
でもまさか三番目が、柳井麻紀絵さんだとは思わなかった。
「でもなあ…柳井はちょっとアブナイぞ」
「アブナイって?」
光の顔が歪んだ。
「あいつの周りに寄る奴は、大体えらい目にあうんだよ」
「へ…?」
「もしかしたら千秋は、もう被害者かも」
どういう根拠でそれを言っているんだ。あんな元気な少女が、そんな不運を運んでいるようには見えないけど。
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