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でも、そのせいで、僕の人生は変わったんだ。
「ちゃき、サッカー上手いんだから、サッカー部入れよ」
「嫌だよ。僕はスポーツが嫌いなんだ」
「もったいないなあ」
チャイムが鳴り響く。そういえば、今は昼休みだったんだ。
「さ、帰るぞ」
サッカー部で一番サッカーが上手いらしい、金沢慶太が走り出した。
「行くぞ千秋」
それにつられて光も走り出した。
その時だった。
「ひゃっ」
「きゃっ」
誰かにぶつかった。女の子だ。額を地面に打ち付け、そのまま三メートルほどヘッドスライディング。
「ちゃ、ちゃきっ」
光が戻ってくる。
「大丈夫か、生きてるか」
「別に、死んじゃいないけど…」
僕を抱きかかえ、揺さぶる光。はっきりいって、そんなに激しく揺らされたら酔う。
「柳井、お前怖いっつの」
「千秋くん、ごめんね…」
柳井って誰だよ。なんで名前知ってるんだよ。光が知ってるっていうことは、同学年なんだろうな。
僕は視線を、青い空から柳井と呼ばれる少女に移した――。
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