愛してました

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愛してました

1・出会い男は汽車に乗っていた。窓の外の景色など何もわからない。一日中汽車に乗っていた。ふと気がつくと男は駅の改札口を出て歩いていた。ただ歩いていた。男はボーっと歩いていた。前から少女が犬を四匹連れて歩いて来た。散歩なのだろうが犬に引っ張られていた。犬はダックスだった。『ワン。ワン。ワン。』よく吠える犬だった。『ワン。ワン。ワン。』男は犬に吠えた。『おじさん、馬鹿じゃないの?』と少女は笑った。
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