序章

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すき。 たった二文字のこの言葉がこんなにも重く、固い言葉だとは思わなかった。 それまでの自分は、いとも容易くこれを安売りしていたのだと、その時になって初めて気づいた。 今まであんなに軽々しく口にして来た言葉が、咽喉の奥に絡み付いて、吐き出すことができない。 それなのに、呑み込んでしまうことができないのはなぜだろう。 この想いは一体どこから溢れてくるのだろう。 そして、どこへ流れてゆくのだろう…。
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