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油の入った瓶を傾ければ「ポタリ」と雫が、落ちて、床にじわり…と染み込んでいく。
僕はそれを気にする事も無く
更に瓶を傾ける。
辺りは油に浸されて、じとじとになった。
油独特の臭いが辺りに広がった。
若干、喉が痛い気がしたけど、気にしない。
マッチに火を点す。
朱い様な、青い様な、そんな感じの色の火。
それを、床に放る。
ボゥ と音を立てて火は炎になり燃えていく。
煙の臭いが部屋中に広がっていく。
じわじわと 腕が 足が 熱くなっていく。
そして 体中が火に包まれていく。
火が炎となって 家を燃やしていく。
でも、僕の骨を燃やしきる事は無かった。
だんだん炎は火になってちっちゃくなって消えた。
僕の存在を消すことは結局出来なかった。
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