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言葉の『勉強』をしてから今日でちょうど1ヶ月が経った。
既にホログラムから聞こえる様々な言語は全て理解でき、退屈すら感じていた。
頭の中で考えることも、全て英語に変わっていた。
テレビも本も意識しなくても読み聴きでき、ジェイドや執事との会話も自然に英語で出来るようになった。
今日も夜の8時から夜中の3時までの『勉強』を終え、いつも通り部屋に戻ろうとしたとき、ジェイドに呼び止められた。
「今日で言語に関する学習は終了だ。休みを1日おいて、明後日からは『仕事』に直接関わる学習や訓練を行う。
体を動かすことになるが、まず明日は説明を聞いてもらう。明日の夜7時にお前の部屋に行く。わかったな?」
静かに頷くと、ジェイドは出ていった。
自分も続いてシュミレーション室から出て、部屋へと戻る。
ようやく本当の『訓練』か…。
そう思いながら自分の部屋に入ると、執事のキンバリーがちょうど食事を運び出していた。
「明後日からは訓練が午後3時から10時頃までですので毎晩11時頃にお食事をお持ちいたします。明日だけは10時ですけど。ランチはいつも通りです。では失礼します」
もう夜中の3時過ぎに食事をすることには慣れていたが、それを聞いて少し嬉しくなった。これで少しはまともな生活リズムに近づいた。
食事を済ませ、シャワーを浴びてからベッドに入る。
明日の『説明』が気になった。
まだ聞いていないことが幾つもあるし、ここ1ヶ月でそれらの疑問も膨れ上がったからだ。
どれも明日分かるだろう。
布団に潜り込み、目をつむった。
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