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夜8時を過ぎ、好きなドキュメンタリーの番組がコマーシャルに入ったとき、ドアのブザーが鳴った。
テレビを消し、ドアを開けようとすると、それより早くジェイドが入ってきた。
続いて同じスーツとサングラスをつけた白人が入ってくる。
初めて見る顔だ…。
「掛けても?」
ジェイドが聞く。
頷き、ジェイドともう一人の白人と向き合う形になるよう、自分も座った。
ジェイドが口を開く。
「お前も英語を完璧に話せるようになった。もう他の仲間と会っても大丈夫だろう。明日から始める訓練には俺だけでなく様々な仲間に立ち会ってもらう。
まずはジャックだ」
「宜しくな」
陽気な感じで握手のため、手を差し出してきた。
ジャック……。
平凡な名だが本名ではないのは確かだろう。
ジャックがサングラスを外して続ける。
「あんたがあのときの子供か……。
俺はジャックだ。まあこいつの相棒みたいなものだ」
「相棒…?」
ジェイドが代わって続ける。
「俺とこいつはよく二人で仕事をしていてな。
他にも三人組で仕事をする連中もいれば、五人で動く奴らもいる。人数や専門も様々だ。
別の組織でもな。逆に一人で仕事をする奴もいる。
そしてお前には一人で仕事をしてもらうお前にもいつかパートナーがつくかもしれないけどな。
まあ、それはいいとしてとにかく、お前はあらゆる任務を全部一人でやらなきゃいけない。
ある程度は組織もサポートしてくれるだろうが、ほとんどは一人だ」
次いで、ジェイドが説明する。
「つまり、お前は多くの事を学ぶ必要がある。言葉だけでなくだ。
暗殺術、格闘術、情報処理、『法力の解放』、全てだ。
今から説明するのはお前の身体に関することだ。」
……法力?
ジェイドがジャックに合図すると、小型のメモリーチップを取り出した。
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