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放たれた銃弾をドレインが軽い動きで避けていく。
数発の銃弾はドレインの後ろにあった防弾仕様のスクリーンで弾け散る。
銃撃を避けられるのは上位の施術を受けた証、つまりは『厄介』だと言うことだ。
けれど、さっきは違う……。
避けた動きは感じ取れなかったし、だけど確かにあの椅子に座っていた。
「時間がない。
遊んでる暇はないんだ」
ドレインが徐々に接近してくる。
「あまり面倒はかけさせるな」
そして地面を蹴って一気に距離を詰める。
ドレインのパンチをかわし、反撃するが同じくかわされる。
続くドレインの廻し蹴りをいなし、バランスを崩してこちらに背を露わにしたドレインに攻撃しようとしたとき、出来れば見たくなかったものを発見する。
弾痕がある……。
先程自分が発砲したであろう銃弾の痕が彼の背中にはあった。
しかし、見たくなかったのはそれら弾痕自体ではない。
彼の服には確かに穴が穿れていたが、その下に覗く皮膚には傷ひとつ見当たらない。
「ふん」
その弾痕に気をとられたお陰でドレインに時間を与えたことになってしまい、攻撃しようとしたときには軽い蹴りで牽制されて距離を取られてしまう。
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