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ビキッ!
しばらくしてからイラマニチェフの両腕が突然膨れ上がった。
次いで、上半身、首、頭、下半身が肥大化していく。
大きさに余裕のあった服はもはや千切れそうで、ビクビクと脈打つ肥大化した筋肉を包む皮膚は生々しい赤に変色している。
スプラッター映画に出てくる怪物のようだ。
そこからさらに、全身に黒い体毛が全身を服ごと覆い始める。
偽物のキングコングみたい…………。
1番目を引くのはその両腕だった。
全身の筋肉や骨格が肥大化している中、その両腕だけはその全身の肥大化の比率を遥かに超え、片方の腕だけでも成人男性並みの大きさになっていた。
そして、『変身』したのはイラマニチェフだけでなく、アンドレエフもだ。
綺麗な白い体毛が彼を包み込み、顔や体つきが狼に近くなっていく。
2本足で立ってはいるが、恐らく4足歩行の方が楽だろう。
ゴリラもどきに狼男がお相手か……。
「さあ、何秒もつかな」
イラマニチェフが地響きのような低い声で言った。
「来なさい、化け物共」
もはや人間ではなくなった2人との戦闘を再開する。
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