アナスタシア~The First Traitor In SLAYER~

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~同フロア、スペース・オブ・トップ~ ゴゴゴゴゴゴ……………… 「何だ、この音は?」 この凄まじい轟音にはドレインも動揺を隠し切れずにいた。 その轟音と同じようにドーム全体も僅かながら揺れていた。 音のくぐもり具合から、どうやら原因はドームの『外』のようだ。 キンバリーに何もなかったらいいけど……。 数十秒かけて次第に轟音が小さくなっていき、それに伴って揺れも消えていく。 「止まったようだな。 さて…………」 ドレインがまじまじとこちらを見ながら言った。 「それだけやられてもまだやる気のようだな」 ドレインの言う通り、戦況はかんばしくなかった。 ポタポタと頬を伝って顎先から血が滴り落ち、背中や腹部、太ももにも出血があった。 右腕は骨にひびが入ったのか痛みが一向に引かない。
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