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大量の鮮血が吹き出し、特殊な床を真っ赤に変える。
それには確かにキリアの血液もあった。
しかし、実際にはその血しぶきの殆どはキリアのものではなく、紛れもなく自分のものだった。
革製の床の上で、革に変化した身体を使ってキリアを吹っ飛ばした。
それは良かった。
しかし、同時にそれが駄目だった。
それがこの法力の欠点だった。
炸裂したキリアの白光は、全身が革と化した身体を深く切り裂いたのだ。
止まることなくグロテスクな程に傷口から溢れていく血が池のように広がっていく。
水だ……、水の床に…………。
水の床を踏めば、こんな傷、瞬時に塞がる。
数歩進めば、先程までキリアが倒れていた床にたどり着く…………。
その床にはキリアの血が混じり、やや赤く淀んでいたが、この程度の量なら問題ない…………。
早く…………。
そして、ついに水の床の上に乗る。
身体が液体になり、人間の身体としての形状は保ちながらも身体自体の性質はすぐに液体のそれへと変化し、深く裂かれていた傷を塞いでいった。
対して、キリアはまだ起き上がれずにいるようだった。
俺の勝ちだ。
キリアを真の絶望へと道連れにしようとするために、そうキリアに告げようとしたときだった。
「踏んだわね……」
床に落ちている自分の血液に突っ伏し、息も絶え絶えの状態にも関わらず、キリアは確かに笑ってそう言った。
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