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「なに……?」
最初、彼女の言っている意味が理解出来ずにいた。
踏んだ、だからなんだ。
視線のみを動かして足元を見た。
足首から下は、キリアと自分の血液で濁った水に浸かっている。
ふと嫌な予測が頭をよぎる。
ここにはキリアが倒れていた。
見方によれば、何かを隠すような感じと言ってもいい。
そしてもし、その時に自分の血でわざと水を濁していたとしたら…………。
そう、地雷か何かを隠すために…………。
「くそっ!」
すぐに水の床から離れようとするが、液体化した身体に瞬発力は求められない。
「もう遅い」
キリアがそう言った直後、床の底に仕掛けられていた5角形の形をしたウォーターカモフラージュの施された装置が瞬時に作動した。
くぐもった爆発音がしたかと思うと、足元の水が全て一瞬の内に凍りついていた。
トラップとして設置されたフリーズボムが役目を果たしたのだ。
当然、自分の身体も自分の意思に関係なく水から氷へと変化している。
氷へと変身した全身からは、冷気が発せられていた。
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