アナスタシア~崩壊と残骸~

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「アナスタシアのトップは『ドレイン』か?」 ジャックがキリアに聞いた。 「……ええ、それが?」 「そうか……。 いや、良くやった。 そろそろスレイヤーの応援が到着するそうだ。 上で3人が待ってる」 「シェーキーはどうしたの?」 クレアが姿の見当たらない彼女を探す。 「残念ながら逃げられた。 だが、もうロシアには現れないだろうな」 「そう………。 とにかく、任務は完了した。 帰りましょう」 クレアがキリアを連れて再び歩き出す。 「随分とお疲れの様子で、キリア」 「あなたこそボロボロじゃない、リベリオン」 そう言われては返す言葉もない。 加えて、自分は仕留め損ねたのだ。 何も上手い言葉を返せず、そのままクレアに運ばれていくキリアを見送った。 「キリアの実力も大したものだ」 キリアとクレア、キンバリーのだいぶ後ろをついていきながら、ジャックが言った。 「ドレインってのはそんなに大物なのか?」 「あのドームはドレインの法力を最大限に発揮するためのものだ。 そのドームで奴に勝つとはな。 まだ経験の少ないキリアは対多人数は厳しいようだが、一対一だとお前とそう変わらないかもな」 「ふうん……」 パートナーとしては嬉しいことだが、素直に喜べることは出来なかった。 地下4階に上がると、ビルやターナー、マラッカ、そしてロシア支部からの応援と合流し、任務が完全に終了する。
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