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「ねえ、リベリオン……」
ロシア支部の基地へと組織のトレーラーで運送されながら、隣で自分と同じように怪我の手当てを受けているキリアが少しキツい感じで言った。
「なんであの3人を殺さなかったの?」
「…………」
キリアが言っているのは、メインルームに入ってすぐに交戦した幹部達のうちの女3人であるメイガン、マリー、デイトナのことだった。
「アナスタシアはもう再起不能だ。
任務は果たしたろ」
「だけど幹部を逃がすなんて……」
引き上げる途中、幹部達と戦った所を通ったときにはすでに3人の姿はなかった。
「あの3人は組織の復讐を考えるタイプじゃないから心配ないだろ。
大体、危ないところを直前に助けてもらったのはどこのどいつだ?」
「くっ………」
「それにあいつらの行く宛の見当はついてる」
キリアが不思議なものを見る目でこちらに視線を向ける。
「どうして?」
「言ったろ、『置き手紙をして来た』って。
『ニューヨークはいい街だ』って書けばニューヨークに来るだろ」
「あの言葉、てっきり何かの比喩か暗号かと思ったのに……。
呆れた…………」
キリアが頭を抱える。
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