引き金

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ジェイドはサングラスを外し、身を乗り出した。 「前にも説明したものと重なるのもあるだろうが、それらも含めて詳しく説明する」 ジェイドが続ける。 「君の家族、血の繋がりがある者は皆あの家で殺された。 全員があの家に居たことが災いしたな。 原因や目的、犯人や黒幕は今も調査中だ。 君だけ助かったのは向こう側の何らかのミスだろう。 あの事件に関することで何か心当たりはあるか?」 思い出したくもなかった。ズタズタにされた家族…。 それでもトラウマと闘いながらあれこれ考えると、単純な疑問が出てきた。 「何で俺を…助けた?」 「我々には君のような独り身で若い働き手が必要だったのだ。小さなアサシンがな。」 また疑問が生まれた。あそこにジェイドが来たのはまるで俺が独りになった瞬間を狙ったような。 「疑問を持ったようだから説明してやろう。 我々は君の家族が殺されるであろうことは予測していた。 何事にも前兆はある。 ここから日本まで出向き、文字通り君の家の前で監視していた。 事件当日、正体不明の連中が君の家へ押し入ったのも見た」 すぐに怒りが湧き出た。 「なら何で助けなかった! そうなると知ってたのに! 見殺しにしたのか!」 「言っただろう、我々は警察などではない。 事が終わり、連中が去っていった後、『独り』となった君を見つけた。我々も驚いたが、まさに望んでいたものだった。」 「だからって…!」 「あの場で君を殺してもおかしくない状況だったんだぞ」 「……。」 形はどうあれ、生かされたのは事実だ。恐らく『犯人』達は俺の事を今も探してる…。 「言い忘れたが、あの事件からーヶ月と三週間が経過している。君からしてみれば二週間ちょっとのつもりかもしれなかったが、あの施術は案外時間が掛かるものでな」 ジェイドが立ち上がる。 「ここからが本題だ」
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