41551人が本棚に入れています
本棚に追加
「なあ、キリア……」
リベリオンが今度はこちらを見据える。
月を背にしているリベリオンの顔が逆光で見えず、シルエットしか分からなくてもその冷たく、鋭い視線はすぐに感じ取れた。
「お前はどうする?」
「……えっ?」
「俺と一緒に自分の世界を取り戻すか………」
リベリオンの声のトーンが更に冷たくなる。
「………スレイヤーに誓わされた忠誠を守り、俺を殺すか?」
今、自分と会話しているリベリオンがまるで別人のように思えた。
いつものようにジョークも言わず、笑ったりもしてくれない彼が誰なのか、分からなくなる。
「リベリオン、お願い…………。
私はあなたを救いたいの………。
あなたは今、混乱しているだけよ。
戻って来て、リベリオン………」
その願いも、リベリオンは冷たく笑って一蹴した。
「もう俺のことを『ディック』とは呼ばないんだな。
だけど、あんた達はどうかな、ジェイドにジャック!」
直後、辺りに潜んでいたスレイヤーのメンバーが一斉に姿を現した。
全員が上級幹部の戦闘員である。
最初のコメントを投稿しよう!