4月 出会いの季節

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 俺は黒板。名前?あるとしたら、尾道大学・C4教室・黒板だろうな。俺的には尾道大学がファーストネームで、C4教室がミドルネームで、黒板がラストネームかな。長いから間をとって、C4と呼ぶ事にする。  冒頭で偉人さんの名作を思い出したかもしれないけど、この本の趣旨は飽くまで日記だからね。  “今日はえらい見た事ない顔ばっかだなぁ。その上、精々300人までの教室に350人位入ってるな。”とC4は思った。  どうやら、今日は新入生のためのガイダンスらしい。  “今年の一年はいつまで経ってもガヤガヤとうるせぇ奴らだな。”おそらく、学生を正当に評価できるのは、どんなに偉い教授よりも黒板だろう。なぜなら、黒板は常に学生と向かい合い、その表情を見て取れる。  講義中にも関わらず、携帯をつつく者  周りと話してる者  可愛い子の後ろ姿を見つめる儚い男  教授が板書してる隙に菓子を食べてる者  様々である。今年の一年共はどんな事をやらかしてくれるか、C4は早くも期待に胸ならぬ板を膨らませていた。
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