5月 季節は春、夏の始まりを思わせる

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 そして、今日は月曜日  月曜日の3限目民法の時間で、毎週左の列の後ろの方に座ってる今風な女の子集団。この子達は要注意だ。  なぜなら、彼女達はいつも講義中にも関わらず、大きな声で笑ったり、恋の話で盛り上がったりする。  しかし、それに業を煮やした教授のチョーク使いが荒くなり、カッカッと音たてるほどで、正直痛いのだ。  そして、今日ついに…  カッカッカッ、ボキッッ!  鋭い痛みが走った。  耐え兼ねた教授は、「見ての通り、この講義は出席をとっていない。だから、他の学生にも迷惑になるので出て行って欲しい。」と言っている。  “全くその通りである。これ以上被害が及ばないうちに、ここは大人しく退室してくれ、頼む。”とC4は思った。  しかし、何を思ったか、女の子集団は退室しない。おそらく、日本の文化の一つとも言われている、恥のせいだろう。  彼女等にも、それなりのプライドがあり、ここでの退室する様が余りにも滑稽で恥ずかしいと感じたのだろうか。  しかし、それで教授の気が晴れる訳もない  次の瞬間、ドンッという鈍い音が響いた  “教授、今のボディブローは効いたぜ…”  殴られたのだ。  ようやく事態を察したのか、女の子集団は半ばキレ気味で退室していった。  願わくは、来週この講義に出ないでくれ。痛いの理由の一つだが、この何とも言えない重い空気と、修羅場後の冷たい視線を浴びるのは、他でもない私なのだ。  まだ落書きされて指差されて笑われた方が多少マシである。
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