~第一章~     我が家族は頭がおかしい編

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それからカップ麺が10個は作れそうな位探してみたけど見付からず、仕方がないので家に帰る事にした。 ―――10分後。 「ただいまー……」 「おっかえりぃぃぃー!!!」 扉を開けて早々に現れたこの暑苦しいくも見苦しいのは、あたしの兄。《橘 総亮》(たちばな そうすけ)だ。いつものようにあたしを出迎える。 「やめろ暑苦しい。五体満足でありたいなら少し黙れ」 「なーんでそんな事を言うんだマイシスター!兄が可愛い妹を出迎えてなにが悪いっ!」 「全てだ!存在が悪だ!自分の星に帰れっ!!」 もう分かると思うけど、コイツは驚異の『シスコン』だ。ああ自分で言ってて恥ずかしい。 私と同じ学校、枢司高校の三年生で、『帰宅部』というトンチキな部を設立した変人。 しかもその部を作った理由は、表向きには《健全で正しい下校》だが、その実態は…… 《素早く家に帰り恐ろしくも美しき我が妹をいち早く出迎える為の総亮様の部》 だったりする。しかも略してSOS部だ。何処のトンチキ野郎だよ。嘗めてやがる。おかげで私は何度自殺に追い込まれ……てはないけど。殺そうとは思った。てか今も思っ
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