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帰りたくなかった
お母さんの怒ってる顔が脳裏に浮かぶ
いつもより遅くまで拓也の家にいた
携帯が鳴った
お母さんからだ
「ばぁちゃんが倒れたから早く帰って来なさい」
嘘だとわかった
そうでも言わないと、帰って来ないと思ったのだろう
「ただいま」
「ちょっとそこ座りなさい。」
明らかに怒っている
「先生から連絡あった。なんでもっと早く言わないの!?」
「言えなかった。」
「高校生が妊娠する事なんて珍しくないんだから、言ってくれれば中絶だってできたのに!」
泣いている
「おろしたくない。言ったらおろせって言われるのわかってたし、言えなかった」
私も泣きながら言った
「あれこれ言っても仕方ない。もぅ少しで産まれるんだから。これからの事考えよ。赤ちゃんの為にも。」
いいお母さんだ
もっと早く言っていれば良かった と後悔した
「拓也は?知ってるの?」
「うん…」
「拓也の親は?」
「知らない…」
お母さんはすぐ拓也の家に電話した
しばらくすると拓也と拓也の両親が来た
私のお父さんは漁師で家には3ヶ月に1度しか帰ってこない
もちろんお父さんには報告できない
拓也のお母さんは拓也に質問した
「どうする気?あんた達高校生でしょ?育てれるの?」
「学校辞めて働く。頑張って育てる」
拓也の思いがけない言葉
長い話が続いた
拓也は15歳
すぐ籍を入れる事はできないが、18歳になったら籍を入れることになった
頑張ろう
みんながそう思ってくれた
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