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私の目的地は屋上。
「屋上って確か鍵が掛ってますよね」
そんな陸を無視してポケットから鍵を取り出して開ける。
「陸、来るなら来なさい。鍵閉めるから」
そういうと陸は驚きながらも屋上へ来た。
鍵を閉めながら私は陸が考えているであろう疑問に答える。
「ここの校長、私の客なの」
客。
つまりそれは花音に忠誠を誓った奴隷を指し示す…。
「え――――!!!?」
そりゃ誰だって驚くだろう。
自分が通う校長の校長がSMクラブに通っていて、しかもその校長の主人が同級生…。
笑わずにはいられないわよ。
私も校長を見た時には驚いたしね。
「私が言ったって秘密よ?
本当は守秘義務があるんだから」
「どうして話してくれたんですか?」
「気まぐれよ」
私は即答する。
そう、気まぐれでしかない。
全ての行動において私は気まぐれで動く。
まるでそれが本能だとでも言うかのように…。
「何?自分が特別だとでも思った?」
「…花音さんは気分屋ですね。
しかも笑顔で他人を傷付ける…」
「そうね」
急に話を変えた陸に花音は驚きはしたが、表情も声色もそれを感じさせない。
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