過去

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私の部屋に入った陸は唖然としている。 何か変な物置いてたかしら?   「宇宙みたいだ…」   部屋には一切光は差し込まない。 ただ中央に置かれたプラネタリウムの機械の光だけが、部屋を照らす…。   「キレイでしょ?」   陸は何度も頷いた。 それから私と陸はたわいもない話をしたり、ゲームをしたりして過ごした。 明日も学校だ…。 陸を見送って自室に戻った。 プラネタリウムの光に包まれる…。 何年も流すことの無かった涙が流れ落ちる…。 やはり過去を思い出すことは辛い…。 だけどただの辛い思い出になんてしたく無かった…。 困難や苦しみで人は成長する。強くなる。 だから私はあの時、母の葬儀の時に誓ったんだ。 強くなるって…。 だけど他人を突き放すだけで、私は本当に強いんだろうか…? 誰かを支配するからと強い訳じゃない…。   「私はまだまだ弱い…」   だからもっと強くなろう。 もっともっと強く…。 風を受け流す柳のように。 ちょっとだけ陸を見直した。 陸は強い。 力とかじゃなくて心がね…。
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