女王

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私の名前は桜木 花音(サクラギ カイン) 進学科の三年に通う、普通の女子高生。 でも私は自他共に認める変人。 女子高生と言って良いのか迷ってしまう。 余談だが私のイメージは親友の中村陸いわく『女王様』か『王様』 そんな陸はさながら『儚い文学少年』だろうか。 陸は父親は医者、母親は保育士のお坊っちゃまだったりする。 陸とは高校に入学した二年前、初めて出会った。 出会った時、私を怖がること無く、普通に話し掛けて来た唯一の存在だ。 自覚は無いのだが私は自然と他人を威圧しているらしい…。 陸がいうには『近寄るなオーラ』ならぬものを発しているんだとか。   「何で怖がられるのかしら? こんなにフレンドリーなのに…」   「クスクスクス、花音は基本的に無表情ですからね」   「…よく言われる」   私には二種類の表情しか無い。 『無表情』と『笑顔』   「僕もやっと不機嫌な時と、ただの無表情の時の区別が付き始めましたしね」   ニコッと陸が笑う。   「…そうやって育てられたのよ」   相手に感情を読み取られないように…。 あのバカ親父からねッ!!!   「まぁ『女王様』がおろおろしていたらどッ~~!!!?」  
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