女王

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「…鞭で打たれたいのかしら? きっと陸の白い肌をキレイに飾ってくれるんでしょうねぇ」   クスクスと花音は妖艶な顔で笑いながら陸にそう告げた。 直訳すると   「テメェそれ以上言うならどうなるか解ってるよな?あぁん?」   である。 私の表情が崩れることは無い。 何かに特別、興味を抱いたことなんてあっただろうか…? ただ『女王』としての道を歩いて来たから…。 私の父は会員制の高級クラブ『アスタロト』のオーナー。 バーでも普通のクラブでもない。 よりによってSMクラブだ…。 そして私はその店にトップとして君臨することを宿められた女王『アスタロテ』 格好良く言えばそんなもの。 まぁ手伝いというか修行というかバイトでしている『女王』なのにもうトップに上り詰めてしまってるけどね…。 私がトップになった時、父は   「もう花音ったらさすが柚姫さんの子供って感じよぉ」   とハートを乱舞させていた。 ちなみに『柚姫』は私の母親で私と同じようにこの店でトップだった。 父親に連れて来られた時にお母さんに一目惚れして、猛アタックしたらしい…。
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