女王

5/5
前へ
/22ページ
次へ
「あれ?アスちゃんがチョコレート食べてるなんて珍しいね」   声を掛けて来たのはこの店で一番のハード女王の紅月姉様だった。 アスタロテだからアスちゃん。 ちなみに『姉様』と呼ぶのは店の規則。   「ん~?たまにチョコが食べたくなるんだよね」   紅月姉様は妖しく笑った。   「知ってるアスちゃん? チョコレートは昔、媚薬として使われてたんだよ。 そしてアルコールは正常な脳の働きを奪い去る…。 今日のアスちゃんはハードかなぁ?」   まるで歌うように楽しそうにそう言いながら去って行った。 部屋に入ると背広を着たままの高木さんが立っていた。   「何ボーッとしてるの?私が来たらさっさと服を脱ぎなさいッ!!」   ピシッと鞭が飛ぶ。 男がいそいそと服を脱ぎ始めた。   「今日はどうやってお前をいじめてやろうか…」   心がざわめく。 嗚呼、この男を泣かせたい…。 平伏して許しを乞う姿を…見たい。 その日の私は紅月姉様が予言した通りになった…。 悲鳴が快感。 だけど相手が嫌がることはしない。 Mの快感が解るからSも興奮し、MはSに身体を委ねられる…。 それがSM。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加