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「おはよう花音さん、今日はご機嫌みたいですね」
「おはよう陸。
昨日、バイトでちょっとね」
クスクス笑うと陸はサッと顔色を変えた。
「そっそういえばこの間の、バレたらしいですよ?」
この間…?
嗚呼、アレのことか。
「別にある程度バレることは予想してたから」
先日、一人のクラスメートがイジメにあっていると問題になった。
余りに遅すぎる対応。
一人一人呼び出され、情報提供者の名前を明かさない約束で行われた。
…バレるのは考えればすぐに解ること。
素直に知っていることを話す人間はこのクラスにはいない。
全員自分がイジメられるのが怖いからだ…。
一人ずつ尋ねて行けば誰が言ったのかはバレる。
これでもイジメとかはキライなんでね。
相手の心まで痛め付けるのはキライなの。
虐めることに置いては私と同じフィールド。
こんなことで汚されたくないのよね。
そして私が名前を告げた男子生徒は、教師に叩かれた。
教師は情報提供者が私だと言ったらしい。
別に構わないけど教師ともあろう者が約束も守れず、その上に正義をたてに暴力を振るうとは、全く呆れた話だ…。
小声で話す陸を無視して周りに聞こえるように私は話す。
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