03.来る者拒まず、去る者追わず

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  「綾ー帰るぞー」 終わりのSHRが終わった後、龍也は当然のように綾に帰ろうと言う。 「はーい、ちょっと待ってー」 いつも不思議に思っていた。 龍也は彼女が出来ても昔と変わらず綾と帰るが、彼女はいいんだろうか。 (まぁ、それに甘えてるあたしもあたしだけど) 「ねぇ、」 「ん?」 だけど今日はどうしても聞きたかった。 「今日、告られたんでしょ? んでOKしたんでしょ? あたしなんかと帰ってていいわけ?」 全部質問になってしまった。言ってから、言わなければよかったと少し後悔もした。 「あぁー……うん、告られてOKしたけどさ。つか今更じゃん」 「いや確かに今更だけどさ、今までも、どうなのかなーと……」 綾の言葉に、龍也はちょっと驚いていたようだった。 龍也に彼女ができてから、綾はこういった話題に触れないようにしてたからだろう。 「だってさー……昔から俺らって一緒に帰ってんじゃん?」 少し考えた後続いた言葉に、綾は無言で頷く。 「なんか綾と帰るの習慣になってて、今更変えられないというか……」 (……この男は……天然タラシか?) 「でもさ、それって彼女怒るんじゃないの?」 嬉しいけど、とりあえず今は抑えて聞いてみる。 「あぁ、最初の方の子らはかなり怒ってたかな。ほとんどそれが原因で別れたようなもんだし」 第三者から見たら、彼はきっと最低な男なんだろう。 「でも最近はみんなわかってきたみたいでさー、それでもいいから、って言ってくる子のが多いからそれに甘えちゃってるわけ」 綾も「噂にもなってたみたいだしなー」と言って笑ってるこの男を怒鳴ることはできるのに。 「ヘぇー……そりゃありがたいね」 それをしないのは、それでも龍也に傍にいてほしいという綾のわがままだった。  
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