14人が本棚に入れています
本棚に追加
その夜、私は夢を見た。背中に綺麗な羽を持った天使が片方の翼が折れて苦しんでいた。
「…私は、いつか生まれ変わります。その時迄貴方のした事を忘れませんよ。クッ…この身が滅びても魂は輪廻転生で甦ります。」
綺麗な顔立ちの天使が亡くなるのも時間の問題だった。剣が心臓に突き刺さっていたからもう長くはもたない。
「雪麻、私を死に追いやった者の顔をその目に焼き付けておいて下さい。いいですね?」
天使様は、私の名前を呼びそう言って亡くなった。その亡くなった天使様がアレフ様なのでは?と確信した。
アレフ様を死に追いやった悪魔の顔…それは、誰かに似ている。でも、一瞬の事でハッキリと顔が見えた訳じゃなかった。
「雪麻…起きてる?朝よ、下に降りて来なさいね。」
「はい。」
悪魔のいない日常は平穏でいつもと何も変わらなかった。
「おはよう。麻雪に会いたかったよ。天使アレフの生まれ変わりの君にね😃探した甲斐があったみたいだな。」
家に知らない男性がいた。優しい顔で言ってるが体が拒否している。怖い…恐怖で震えが止まらない。
「貴方は誰ですか?」
「昨日迄、雪麻の近くにいた悪魔の兄のギルスだ、よろしく😃今日からは私が一緒にいるから安心するといい。」
「千代様、お母さん?」
「呼んでも誰もいないさ。ここにいるのは私と雪麻だけなんだからな😃邪魔者は消した。」
「私の家族を消した?何処に行ったんですか!返して下さい!!」
「場所迄は分からないさ。天使アレフを今すぐ目覚めさせれば家族を返してやろう。」
「無理です!私にはできません。」
「家族が死んでもいいのか?」
天使アレフを目覚めさせろとの要求…無理難題だ。目覚めさせ方が分かっていたら今頃天使アレフに文句言いたい放題だっただろう。
「貴方は馬鹿ですか?天使アレフを呼び出せるならとっくにしてましたよ💢」
悪魔にケンカを売る人間…そして、悪魔を馬鹿と言う人間も私ぐらいだろう。恐怖の限界を超えると何も怖くなくなる。それが一番の恐怖なのかもしれない😔
「…まだ目覚めていないのか?来るのが早すぎたな。無駄な時間を過ごしたようだ。失礼する。」
「家族を返して下さい!身勝手な行いは許しませんよ💢悪魔でも人間でも始末はしてもらいますからね。」
「…頼もしい器を持ったようだな(笑)」
「笑い事ではありませんよ、本気ですからね。」
「済まない😓」
これを機に私が怒る事は無かった
最初のコメントを投稿しよう!