悪魔の魅力

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リノスさんは、私に生前の天使アレフと悪魔カイルの関係について話してくれた。 「天使アレフは、カイルが惚れる程の綺麗な天使様だったんだよ。男にしておくのがもったいないぐらいの容姿を持ってたね。」 「アレフ様は、真面目で常に敬語で話し、神様に忠実でカイルさんとは正反対のタイプだったんじゃないですか?」 「アレフに会ったの?カイルと天使アレフは敵同士にしていつの間にかライバルだってお互いの力を認めるぐらいの仲だったんだ。でも、周りは天使アレフとカイルの友情を認めなかった。悪魔と天使は因縁の仲だからね?」 「二人の友情を引き裂いたんですね。それが、天使アレフの殺害だって事ですか?」 「カイルは、魔界の廊に暫くの間監禁されてた。後で、天使アレフが何者かに無惨に殺されたってのを聞かされカイルは怒りと哀しみで暴走したんだ。見てられなかったよ。」 天使アレフ様を殺したのは、カイルさんの兄のギルスさん。 魔界の名誉と秩序の為に天使アレフ様は犠牲になった。 「悪魔って悪い人達ばかりじゃないんですね?リノスさんの話を聞いて今までの悪魔に対する考え方や見方が変わりそうです。」 「それは良かった。カイル、雪麻さんの誤解がとけて良かったね?」 ポムッ←煙幕 リノスさんの肩に乗っていたとされる小さな悪魔カイルさんが煙の中で元の姿に戻った。 リノスさんに騙されたの? 「黙ってて悪かった。リノスに頼んで仲直り出来るようにしてもらったんだ。」 「終わった事ですからいいですよ。貴方も天使アレフ様の事で辛い目に合っていたのですからね?何も知らなかったとは言え酷い事言ってしまってすみませんでした。」 「お互い様だろ?ユッキー、仲良くしようぜ。」 バシッ 調子に乗ったカイルさんは、私が気を許した所を狙い不意打ちで仲直りのキスを仕掛けてきた。 だけど、私はそれを許さなかった。清き乙女の私に軽いノリは通じない。堅い女でごめんなさい。 「お前、一度ならず二度もぶったな!仲直りの接吻くらい常識だろ?受け入れろよ。」 「お断りします。それに、仲直りの接吻は恋人なら常識でしょうがそれ以外は論外です。魔界では許されるかもしれませんが、人間界では許されませんよ?」 「カイルのルールは、雪麻さんには通じないんだよ。カイルに説教する所なんか天使アレフと同じだね?(笑)」 「一緒にするな!天使アレフの方が色気があっただろ?お前は、乱暴だ。」
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