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「あ…うん…」
いまだに動揺はしているものの、最初のインパクトは引いた。
「うん…えっと…どなたですか?」
「まぁ待ちなさい。とりあえず座ったらどうだ?」
「あぁ…どうも」
小さく頭を下げて、剣の目の前に座る。何故か正座だ。
「畏まらなくてもいい」
「あ、すみません」
どうにも、まだ頭は混乱しているようだった。
ピシャピシャと頬を叩いて、大きく深呼吸をする。
目を瞑って、開く。
「うん…よし、まず名前を聞きたい」
「ほぅ…」
颯太の質問に、まず返ってきたのは感嘆のため息。
颯太にはその意味がわからなかったが、突っ込まずに答えを待った。
さわさわ
「私は、設楽」
「したらが?」
木々の揺らめきに乗るように、剣は名乗った。
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