目覚め

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鬱蒼と木々が生い繁る深く暗い森。 湿気を含んだ重たい空気を押しのけるように動く、一つの影があった。 「・・う・・く・・・」 それは、顔立ちにまだ幼さを残す少年だ。 紺色の制服に白色のシャツ。 クセが強く跳ねた髪は、少年の意思の強さを表しているかのようだ。 「ここは・・・?」 少年はうっすらと目を開くと、身体を起こして辺りを見回した。 辺りに人の気配はない。森は薄暗く、どこか淀んだ雰囲気を漂わせている。 両手に抱えてもまだ余るほどの太く大きな木々が多く見られる。 森の、相当深い場所にいるのは間違いないようだった。
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